山梨名物ほうとうの具材と作り方

基本的な具材に絶対欠かせないのがカボチャです。

 

 

山梨に古くから伝わる素朴な麺生地の作り方は、木製のこね鉢(地元ではゴンバチと呼ぶ)で水を加えた小麦粉を手で練り、できあがった生地はのし棒で伸ばして折り重ね、幅広に包丁で切ります。

 

 

うどんとちがって生地にはグルテンの生成によって生じる麺のコシが重要視されず、そのため生地を寝かせることもほとんどありません。元来は、農家のお母さんたちがささっと作る簡単家庭料理なのです。

 

 

また生地を練るさいに塩を加えないため麺をゆでて塩抜きする必要がなく、生麺の状態から直接煮こめるところに最大の特徴があります。だから手軽で、しかも汁に適度なとろみが加わってほうとう独特のまったりとした風味が生まれるというわけです。

 

 

超手軽でしかも個性的に美味、なんて昔のひとたちの知恵はすごいんでしょう。いまさらながら感心してしまいますね。

 

 

具となる野菜は、それこそなんでもありなのですが、絶対に欠かせないのがカボチャです。カボチャを煮崩すまで味噌仕立ての汁で煮て、甘みが溶けこんだほうとう汁は最高に素朴なうまさ。夏にはタマネギ、ジャガイモなどが加えられ、秋冬にはサトイモ、ニンジンや白菜、シイタケ、シメジなどのキノコ類も加えられます。具は野菜中心ですが、豚肉や鶏肉を入れるケースもあり、味は家庭によって千差万別だといえます。