山梨名物ほうとうの具材と作り方

ルーツは、武田信玄がもちいた兵糧食ってほんとう?

 

 

小麦粉を練り、ざっくりと切った麺をさまざまな野菜とともに味噌仕立ての汁で煮こんだほうとう。そのルーツには諸説があります。

 

 

一説では、近世、山梨では養蚕の普及による桑畑化で田地が集約され、裏作での麦の栽培がさかんになったことが要因としています。小麦粉の増産によって“おねり”や“おやき”など粉食料理の体系が発達し、“ほうとう”はそのなかでも各種野菜や汁で増量されるために小麦粉の使用量が少なく経済的であり、またおいしい点から広まったという推察。

 

 

また山梨県東部の郡内地方では、山間部であるため寒冷な気候で平坦地も少なく全般的に米栽培が困難であったため、寒冷気候に強く栽培もしやすい小麦栽培が普及し、山梨全体に粉食文化が広まったとか。

 

 

やはり寒冷な長野でそば栽培が普及し信州そばが名物になったのと同じで、ほうとうはきわめて風土色豊かな純正の山梨郷土料理なのです。 語源については、山梨全域で穀物の粉を「はたきもの」と呼び、粉にする作業を「はたく」ということから、これらが転用、なまって「ほうとう」という料理名になったという説が妥当とされています。

 

 

他方では戦国時代の武将、武田信玄がみずからの「宝刀」で具材を刻み、ほうとうを兵士の兵糧食としてもたせたという説もあります。いずれにしても山梨ならではのエピソードがまつわる麺料理です。